インタビューされるという幸福と受け止めと無意識と
年始からばたばたとしていて、2017年という年のことを書く機会を逃していました(2016年のベストバイも書いてないので、いつか書きます)。
で、2017年という年を考える際にどうしても振り返っておかないといけないのが、2007年というネットの特異年です。
2006年から2007年ってあたまのおかしな年だったんです。
- Twitter設立
- Googleカレンダー開始
- Facebook一般利用開始
- GoogleがYoutube買収
- ニコニコ動画開始
- iPhone発表
- 初音ミク発売
- Tumblrサービス開始
- pixiv開始
- Googleドキュメント開始
- Googleがアンドロイド発表
他にもあると思いますが、ざっくり書き出してもこれだけあるんです。ホントに毎月のようにその後の10年を決めてしまったようなサービスインや出来事がありました。
おっさんの思い出話とも言えるんですが、とにかく毎日ただただ楽しかった。
じゃあ、実際私がこの10年、これもまたざっくりと何をしていたのかというと、基本はブログを書いていただけです。
もちろんブログ以外のことにも、いろんなことをやって、いろんなことにマキコミマキコマレました。でも、それらは全部ブログが起点で、私からあれやりたいとかこれやりたいとか言い出したものって、ほぼなかったわけです。自発的にやってたことといえば、ブログを書いてたことだけ。
で、先日べつやくさんのインタビューが公開されました。もうね、読んでいて、そうそう!そうそう!というインタビューですごくうれしかった。
もう全部消去法ですよ(笑)。
そう、消去法なんですよ。
今まで「りっすん」のインタビューに登場された方、すごくちゃんとしてるなって思うんですよ。目標がちゃんとあったりとか……私そうじゃないんで……。
そう、目標とかないんですよ。
私もありがたいことに、たまにインタビューしていただけることがあるんですが、インタビューの最後ってたいてい「今後の目標は?」とかになるです。
そうすると、特に目標とかがない私はとても困るんです。
「今後の目標は?」「ありません」
「え!」「目標なんかないですよ!」
「いやいやいや」「だからないの!」
と納得してもらえないことが何度かあります。
これもちょうどいちるさんが自分のことを振り返っていて、こんなことを言ってます。
だから僕は、もがいていた。
ちょっとこれ困りました。だって、私は大してもがいてなかった。
消去法でやっていくということは、もがかないということなんですよね。もがかないで「できないことを消去」していくだけ。
それはここ数年やっているカバンのデザインも同じで、できることを探求していくのではなくて、どんどん消去していっただけなんです。
ええ、全部消去法ですよ!
で、私のインタビューの話に戻りますが、それでもたまにこれはかみ合ったなというインタビューがあります。
このインタビューは楽しかったので、自分のブログでもインタビューについて記事を書きました。
そして、それが3年ぶりぐらいにまた戻ってきました。
狭いわが家での私の居場所と仕事場は、相変わらずこの押し入れ書斎。いつかカッコイイ事務所を夢見て……。私にとって平成版『知的生活の方法』となりました。
これもうれしかったですねえ。
で、何が言いたいかというと、目標とかなくてもどうにかなるってことです。もう少し踏み込んで考えると、ポジティブな力って過剰評価しない方がよくて、ネガティブな力を過小評価しちゃいけないということでもあると思うんです。
これは少し前に紹介した「消極性デザイン」の文脈でも言われていることです。
さて、こんなことを思っていると、これもまたクウジットという会社を10年引っ張ってこられた末吉さんがこんなことを言っていました。
無意識っていうとむずかしい感じもするんですが、無意識というのはなぜか自分がやってしまうこととしてもいいんじゃないかと思うんです。できないことを消去法している最中にも、無意識は作用しているでしょう。
まだ、この本は読んではいないんですが、最近のUIが意識させないUIに進んでいることもあり、これはなるほど読んでみようと思いました。
さて、そろそろ結論に向かいたいのですが、もう1つ引用します。
不安を書き出すとともに、そこに小さな祈りを付け加えることで、不安をそれとして受け入れることができることもあります。
私がブログでやってたことって、ひょっとしてこれなんじゃないかと思うんです。
これに呼応するのが、以前倉下さんが私のみたいもん!というブログについて書いてくれたことです。
対して、みたいもんは、「言わないで匂わせる力」があちらこちらに漂っている。
そう、これです。
私のブログは。不安と祈りと消去法と無意識が混ざっているから、書かないも書くも選択しないという芸になるしかなかったんです。
でも、こんなこと最初からわかってたことじゃありません。ずっとやってきたから、やっと見えてきたことです。
そして、それに付き合ってくれた読者のみなさんがいたからできたことです。
だから、やっぱり私はなんでもいいから書いてみなよと言い続けるのです。そして、今のところ、それにいちばん見合っている方法がブログなんですよね。
あざーす!
で、きょうはTumblrの10歳のお誕生日だったらしい。